インターネット専業の生命保険会社は2008年に相次ぎ開業した。右肩上がりの成長を続け、5年間で保有契約は合わせて20万件を超えた。楽天生命保険が4月にネット販売を始めるなど、参入する生保も増え続ける。
ただ、1990年代後半からネット取引が始まった証券や損害保険に比べ、消費者への浸透は遠く及ばない。業界全体の年間の保険料収入37兆円に対し、ネット生保のシェアは0.02%しかない。ネットの利便性をうたいながら、大半の場合は契約手続きがネット上では完結せず、普及が遅れる一因となっている。健康診断書のコピーを送付するといった手続きの煩雑さも、利用者がネット取引に期待する簡潔さやスピードと相いれない。
大手生保の幹部は「生命保険は繰り返し取引する金融商品(証券分野など)ではなく、ネットにはなじみにくい」と話している。
2013年07月12日の日本経済新聞から